サーチコンソールに謎の検索クエリ
ホームページを開設、またはリニューアルをすると、とても高い確率で、Googleサーチコンソール(Google検索の分析ツール)の検索パフォーマンスに、下記のような検索クエリが表示されます(サーチコンソールを設定していなければ見ることはできません)。
表示されるクエリの一例
- “ホームページを公開” or “ホームページを開設” or “hpを公開” or “hpを開設” or “ホームページをリニューアル” or “hpをリニューアル” or “ホームページをオープン” or “hpをオープン”
- intitle:ホームページ開設
- ”ホームページを開設しました”
- ”ホームページをリニューアルしました”
厳密にいうと、ホームページ内のお知らせやブログ等で、「ホームページを開設しました」「ホームページをリニューアルしました」といった内容の記事(コンテンツ)を公開し、そのページがGoogleにインデックスされた数日後に、これらの検索クエリが表示されます。
まずは、この謎めいた「”」「or」「intitle:」、3つの記述について解説します。
完全一致検索「”」
ダブルクォーテーション(”)で括られた検索は、「完全一致検索」と呼ばれ、その検索キーワードと完全に一致するものだけがヒットします。
OR検索「or」
キーワードとキーワードの間に「or」を入力して検索することを「OR検索」と呼び、どちらか(もしくは両方)のキーワードを含むページを検索したいときに利用します。
intitle検索「intitle:」
「intitle:キーワード」と入力して検索すると、入力したキーワードがタイトルに含まれるページだけがヒットします。
これらの検索を行っているのは誰?
このような検索が行われている理由は、ホームページを開設、またはリニューアルしたばかりの組織や個人の情報に価値があるからです。
ホームページを開設、またはリニューアルしたばかりの組織や個人は、「たくさんの人に知って欲しい」「収益につながるキーワードでの検索で上位に表示されたい」「SNSでも盛り上げていきたい」「動画で魅力を伝えていきたい」「WEB広告で見込み客を獲得したい」と考えている可能性が高いのです。
「どうすればたくさんの人に知ってもらえるの?」「SEO対策って何をどうすればいいの?」「どのSNSがいいの?」「やっぱり動画もあったほうがいいの?」「GoogleやYahoo!やBingで広告を出すにはどうしたらいいの?」といった悩みを持っている可能性が高いのです。
ですから、WEBコンサルタント、SEO対策会社、SNS運用代行会社、動画制作会社、WEB広告代理店等の業者(他にもたくさんあります)が、営業をかけて繋がりを持ちたいと思っているのです。
その他に、これらの業者に対して、「ホームページを開設、またはリニューアルしたばかりの組織や個人のリスト」を提供する「営業リストの販売会社」もあります(リストの作成と合わせて、電話やメールでの営業を代行する会社もあります)。
Googleで期間を指定して検索する方法
業者は、検索エンジンに備わっている便利な機能を使って、鮮度の高い情報を集めています。
その一例として、Google検索で期間を指定して検索する方法をご説明します。
検索ボックスの下部にある「ツール」をクリック
検索ボックスの下部に「ツール」が出現
期間指定のプルダウンメニュー
「24時間以内」や「1週間以内」といった直近の期間で絞り込み検索をすることで、新鮮な情報を得ることができます。
リストの作成作業の大半は自動化されている
リストの作成は、人が目視で作業しているとは限りません。
例えば、開設されたばかりのホームページの中から、URL、会社名、電話番号、メールアドレス、住所、代表者名、事業内容、求人ページの有無、といった情報を自動で拾い集め、リスト化する仕組みを構築することは、そんなに難しいことではないのです。
(効果の高い)営業先ピックアップの例
検索エンジンを使って、効率的に、効果の高い営業先をピックアップしてアプローチしている企業の例を紹介します。
求人情報検索サイトで、日々更新される新たな求人情報を収集しているケース
求人情報検索サイトで、日々更新される新たな求人情報にも価値があります。
まずは「その会社が生きている」ことがわかります(古い求人情報だと倒産・廃業している可能性がある)。
そして、「求人サイトへの高額な掲載料金を支払うことができる」「人手不足で困っている」ということもわかります。
業務のアウトソーシング化、業務の効率化(社内システム開発等)、離職を未然に防止するためのコミュニケーション研修等、これらのサービスを提供する企業が営業をかけて、お近づきになりたいと思っているのです。
賃貸オフィス検索のサイトで、日々更新される物件情報を収集しているケース
賃貸オフィス検索のサイトで、日々更新される新たな物件情報にも価値があります。
空き物件の情報公開は、入居可能日の数ヶ月前から始まります。
情報が公開されるタイミングでは、まだその物件が貸出中(使用中)の可能性があります。
建物の外観写真や住所、テナントの階数や間取り図等の情報をインターネットで調べると、立ち退くテナント(借主)の情報が見つかります。
オフィス対応の清掃会社、引越し会社、不用品の買取り業者等が、どこよりも早くアプローチして、お近づきになりたいと思っているのです。
営業の電話やメールを受けたくない場合
ホームページ内に電話番号やメールアドレス(メールフォーム)を記載している場合、営業目的の連絡をゼロにすることは難しいです。
なぜなら、相手は感情を持たないロボットのようなものだからです。
「1万件のリストに対して一斉にメールを送信し、10件の反応があり、商談の末に1件成約する」といったことが、リストを利用する企業では日常の業務として行われています。
10件制約させたい場合は、10万件のリストにメールを一斉送信します。
リストの鮮度が低いと反応は鈍るので、15万件、20万件と、目標を達成するまでメールを送信します。
リストもメール配信も無料ではありませんから、それらの費用もサービスの料金に加算されることになります(人件費や業務委託費も)。
すなわち、電話営業も、メール営業も、多くの飛び込み営業と同じように、その大半がぼったくりのサービスといえます。
相手にするだけ時間の無駄ですから、可能な限り、営業の電話やメールを受けたくありません。
そこで、何もしないよりはマシということで、
営業・セールスのお電話・メールはご遠慮ください。
双方の時間を無駄にしないためにも、ご協力をお願いいたします。
といった文面を、ホームページ内の連絡先を記載している付近に追記しておきましょう。
そして電話やメールがあったときには、「本当にホームページを見ましたか?見ているとしたら、このような連絡はしてこないはずですが。」と、不快感をあらわにしてお断りしましょう。
これを繰り返していると、いつの日か、「営業NG」として扱われ、営業リストから除外されることになります。
良質なサービスを適正な価格で提供している業者の見つけ方
ぼったくり業者が数多く存在する中、良質なサービスを適正な価格で提供している業者を探すのはとても難しいことです。
口コミサイトやランキングサイトの情報はすべて、業者の自作自演だと思いながら読まなければならない時代です。
一括見積もりサイトも、「個人情報が出回り大量の迷惑電話がくる」等の声が多数上がっています。
「信頼できる知人や友人から紹介してもらう」という安全な手段があることを忘れてはいけません。
追伸
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2024年10月19日から全国で公開されているドキュメンタリー映画『五香宮の猫』の想田和弘監督の著書『なぜ僕はドキュメンタリーを撮るのか(講談社現代新書)』。
これを読めば、あなたの観察眼がこれまで以上に起動すること間違いなしです。
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