熱心にブログを更新し、専門性の高い記事を大量にストックしたのに、競合の簡素なサイトに負ける──これは、コンテンツSEOに真剣に取り組むサイト運営者が陥りやすい、深刻な落とし穴です。
原因は、記事の「量や質」ではなく、Googleがあなたのサイトを「何のための場所」として認識しているか、というサイトの構造的な役割と、ユーザーの「検索意図」の不一致にあります。
ブログ特化テーマがもたらす構造的な問題
WordPressのブログ運営に特化して設計されたテーマ(例:Cocoon、Luxeritasなど)を利用していると、サイト全体が「情報収集を目的としたメディア」としての役割を強く帯びがちです。
ここで特に重要なのが、人々の人生や金銭に大きな影響を与える分野です。
- 具体例:「越谷 弁護士」「越谷 税理士」「越谷 行政書士」といった地域名+士業
- 店舗の例:地域の病院、歯科医院、工務店など
これらの分野では、サイトの役割が極めて重要になります。専門的な情報発信はできても、サイト全体が「ブログ」に見えると、Googleからはサービス提供者としての「信頼性」や「権威性」の評価が相対的に低くなるのです。
補足知識:Googleが重視する評価概念
Googleはサイトの品質を評価する上で、「E-E-A-T」という概念を非常に重視します。
- Experience(経験)
- Expertise(専門性)
- Authoritativeness(権威性)
- Trustworthiness(信頼性)
これらの要素をサイトの構造(トップページやプロフィール)で明確に示すことが、上位表示へのカギとなります。
「検索意図」の壁:サービス探し vs 情報収集
この問題が決定的な差を生むのが、「越谷 弁護士」のように地域の専門家を探すキーワードです。
- ユーザーの意図:「サービス契約したい」「料金や実績を知りたい」という「取引(トランザクション)」が目的です。
- 求められる情報:事務所の強み、代表者の顔、料金表、アクセス情報など、サービス提供者としての情報です。
あなたのサイトがブログ記事をメインに押し出す構造になっていると、Googleは「このサイトは情報提供がメインで、ユーザーが求める『事務所』の情報への導線が弱い」と判断します。結果として、わずか数ページでも目的の情報が明確に整理されている競合の公式事務所サイトが上位に表示されてしまうのです。
【重要】優良な記事の評価は維持される
ただし、現在のサイトで「記事から集客できている」実績がある場合、そのブログ記事は優秀な資産です。この資産をテーマ変更によって失うリスクは避けるべきです。
記事の品質が優れていれば、トップページを固定ページのコーポレート仕様に変更したとしても、個々の記事の評価が著しく低下することはありません。
むしろ、サイト全体が「専門性の高い事務所サイト」として認識されることで、サイト全体の信頼性が向上し、ブログ記事を含めた評価が底上げされる効果さえ期待できます。
失敗を避けるためのリニューアル戦略
ブログの強みを活かしつつ順位を上げるには、テーマはそのまま維持し、サイトの「構造的な役割」だけを修正する戦略的なリニューアルが最適です。
- トップページの役割転換:トップページをブログ一覧から固定ページに変更し、「事務所の顔」として強みや実績を最優先で表示する。
- 導線の明確化:ナビゲーションからブログを控えめな位置に下げ、「料金」「お問い合わせ」などコンバージョンにつながる項目をメインに配置する。
- ローカルSEOの徹底:住所・電話番号(NAP情報:Name、Address、Phone)の表記を統一し、地域特化のメッセージを強調する。
以下のような構造的な問題点が改善対象となります
例えば、「トップページが2カラムで、サイドメニューにブログ記事情報が入っている」場合、トップページを「ブログの一部」としてGoogleに誤認させやすく、サービスの強みや信頼性を示すためのメインの視覚スペースを奪ってしまいます。そのため、1カラム構成にし、サービス情報に集中させる等のリニューアルが必要です。
また、「トップページのメインコンテンツに、過剰なブログリンクが貼ってある」場合、ユーザーとGoogleクローラーの関心をブログ記事へと分散させてしまい、最も重要な「問い合わせ」や「サービス概要」ページへの導線が弱くなります。ブログ記事へのリンクは「最新情報」として最小限に留め、それよりも「サービス内容」や「実績」へのリンクを優先する等のリニューアルが必要です。
サイト全体を「ブログ」から「公式サービスサイト」へと冷静に位置づけ直すことが、コンテンツの量に報いるための最も重要な施策となります。
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