先日、知り合いの経営者から相談を受けました。
「●●県を代表する企業」に選ばれた
「●●県を代表する企業」にノミネートされている、と先方から連絡があり、オンラインで面談を受けたそうです。
本人から応募したわけではありません。
面談では会社を立ち上げた理由や、他社との違いなどを聞かれ、その後、選出されたとのこと。
そして、掲載やブランディング、SEO・AIO対策、エンブレムの利用などの説明とともに、年間34万円ほどの費用が発生すると分かりました。
私は、この話を聞いて「ちょっと待った方がいい」と思いました。
そこで、運営会社や選出の仕組み、費用について調べました。
「選ばれたこと」と「お金を払うこと」を分けて考える
そして本人には、こんな話もしました。
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もしあなたが私の家族だったら、何がなんでも止めます。
ちょっと極端な言い方をすると、
「おめでとうございます。あなたの会社は選出されたので、年間34万円をお支払いください」
本質的には、こういう話なのではないかと思っています。
「掲載」「ブランディング」「SEO・AIO」「エンブレム」など、いろいろな要素が加わることで、そもそも「なぜ選ばれて、お金を払うことになるのか」という部分が、少し分かりづらくなっているように感じます。
なぜ「選ばれた」ことでお金を支払う必要があるのか。
そこは一度立ち止まって、慎重に考えてみてください。
できれば、利害関係のない信頼できる友人などにも相談してみることをお勧めします。
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それでも、本人の気持ちは変わりませんでした。
「せっかく選ばれた」
「過去に選ばれている会社には有名な会社もある」
「名誉なことだと思う」
「掲載するには人件費や掲載料もかかるのだろう」
そう考えていたからです。
そして、今回調べていて、こうした企画で、ある程度知名度のあるタレントが起用されているケースがあることも気になりました。
名前を聞けば「ああ、この人ね」と分かるようなタレントが授賞式などに登場する。
これも、「ちゃんとした賞なんだ」と感じさせるための一つの要素なのかもしれません。
つまり、こちらがどれだけ仕組みを説明しても、「選ばれた」「有名な人が関わっている」「有名な会社も選ばれている」という要素が重なることで、本人にとっての“価値”がどんどん大きくなってしまう。
正論をいくら言っても、本人には届かない
実は今回、これと似たような「選出された」「受賞した」という話についても、いくつか調べていました。
その事例を本人に伝えたり、私なりに仕組みを説明したりもしました。
しかし、ほとんど効果はありませんでした。
考えてみれば、これは不思議なことではありません。
「あなたは騙されています」と言われれば、「私は違う」と思ってしまいます。
まして、自分の会社が「選ばれた」と言われている。
嬉しいですし、誇らしい。
「せっかくの機会だから活かしたい」と考えるのも当然です。
だから私は、途中から説得することをやめました。
第三者の記事を一本見せてみた
そこで、今回のような「御社をノミネートしたい」という営業について、第三者が注意喚起している記事を探してみました。
『「御社をノミネートしたい」に要注意:経営者が知るべき”有料アワード商法”の見分け方』という記事に辿り着き、そのURLを本人に送りました。
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お時間のあるときに、こちらの記事も読んでみてください。
今回の件と同じとは言いませんが、注意喚起している方がいました。
https://ngunji.com/impression/awardspam/
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すると返ってきたのが、
「びっくり!!」
「さすがですね!」
「すごい記事だぁ〜〜〜」
という反応でした。
あれだけ私が説明しても変わらなかった本人の反応が、第三者の記事を一本読んだだけで変わったのです。
当事者から一度、外れてもらう
ここで、私は少し考えさせられました。
人は、自分自身が当事者になっていると、なかなか冷静になれません。
「あなたは間違っています」と言われても、素直には受け入れられない。
だから、誰かを説得するときに必要なのは、さらに強い正論をぶつけることではないのかもしれません。
一度、その人を当事者の立場から外してあげる。
そのために、利害関係のない第三者が同じようなケースについて書いた記事を読んでもらう。
今回、それだけで見え方が変わりました。
「受賞しました」
「選出されました」
「あなたの会社が選ばれました」
そんな連絡が来たら、まず喜んでもいいと思います。
ただ、その次に、「選ばれたこと」と「そのためにお金を払うこと」は、本当に同じ話なのか?と、一度だけ立ち止まってみる。
そして、できれば自分ではなく、第三者の目からその話を見てみる。
今回、私が学んだのは、そんな単純なことでした。


